代表の挨拶

 糖尿病の成因は多岐にわたり、小児や若年者に多い1型糖尿病、糖尿病全体の約90%を占める2型糖尿病が代表的ですが、最近では悪性疾患や自己免疫性疾患の治療によって誘発された糖尿病も増えています。また、日本は超高齢社会を迎え、糖尿病を抱える方も高齢化し、65歳以上が半数を占めています。さらに、妊娠糖尿病や小児2型糖尿病も増えています。このように、糖尿病は世代を問わず罹患する疾患であり、各世代に適したケアが求められます。

 一方で、糖尿病は完治しない病気であるため、各世代を繋ぐような連続したケアも必要です。例えば、小児期に発症した1型糖尿病では、家族、医療者、学校、地域が連携してサポートしていますが、患者さんが高校や大学へ進学するとき、就職するとき、結婚するときなど、環境の変化から同じようにインスリン治療を行なっていても、不安や悩みが原因で血糖コントロールが不安定になることが少なくありません。

 病気を抱える方が不安であったり悩むのは、得られる正しい情報が少なかったり、同じように悩んでいる方との交流が少ないからです。また、同じ病気を持つ方同士で話し合ったり悩みを打ち明けたりしながら学習する場や、学んだ知識を実生活に活かすための具体的な手段を学ぶ場も少ないのが現状です。治療が進歩し多くの疾患が慢性化する中、糖尿病に限らず幅広く生活習慣病を対象に、病気を持つ方も持たない方も参加できる学習会が求められています。

 そこで、私たちは、生活習慣病を抱える人々、それを支援する人々、未病の人々が健やかに人生を送れるよう支援することを目的に、非営利団体 生活習慣病研究会「京のひろば」を設立しました。「京のひろば」は3つの「ひろば」から構成されています。「知識のひろば」では、糖尿病をはじめとして広く生活習慣病全般について知識を深めます。「健康のひろば」では、古今東西、西洋東洋を問わず栄養や食事、運動に関する知恵を学び実践し、健康に過ごす方法を身につけます。「対話のひろば」では、会話を通してお互いの知識や悩みや考えを共有し、自分らしい生き方を発見します。

 

 病気の治療や医療機器が進歩する一方で、病を抱える方の問題も社会の変化とともに多様化しており、その進歩や変化に適したケアが必要です。しかし、政策や診療だけでは必ずしも十分とはいえません。「京のひろば」は、病気を抱える方、医療者、一般市民から構成される複合体です。この総合力で、悩みを抱え、病気と向き合えない方が一人でも救えるよう活動を展開したいと考えています。多くの皆様のご参加、ご支援をお待ちしています。

京のひろば代表 原島伸一

御所南はらしまクリニック 院長

京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻

          非常勤講師/客員研究員

 

医学博士

元京都大学糖尿病・内分泌・栄養内科 講師

日本内科学会 総合内科専門医

日本糖尿病学会 糖尿病専門医・研修指導医

日本臨床栄養学会 認定臨床栄養医

日本病態栄養学会 病態栄養専門医・研修指導医

NSTコーディネーター

NPO法人血管性浮腫情報センター 理事

日本病態栄養学会 学術評議員

日本糖尿病・妊娠学会 評議員



メンバー紹介

シュガール(SUGARL)ちゃん

原島先生が、私をこの世に送り出してくれました。

髪の毛はブドウ糖の葡萄、キャップは富士山。洋服のブルーの円は糖尿病のシンボルマークというだけでなく、団結の「輪」、皆さんとの「縁」を表しています。

名前は、1型糖尿病女子会のお姉さん達がつけてくれました。糖尿病にとってコントロールが必要で、でも、なくてはならないシュガー(糖)と、女の子という意味のガールを合わせて「シュガール」です。1型糖尿病女子会のグループ前も同じ名前です。

「京のひろば」は「シュガール」の活動をきっかけに、皆様のご要望を経て、その発展的な形として結成されました。「京のひろば」は「シュガール」の活動もサポートしています。興味のある方はご連絡ください。


西村 亜希子

京のひろば副代表。香川大学医学部看護学科 教授。

         看護師/保健師/日本糖尿病療養指導士/健康運動指導士。

 

2004年より神戸大学病院心臓血管外科病棟にて勤務。多くの生活習慣病の方と関わり、病気を管理しながら生活を充実させていくことの難しさを実感。2009年より拠点を京都に移し、「自己管理支援」「健康生活支援」をキーワードに生活習慣病の臨床と研究に取り組み、2014年京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻(生活習慣病看護学分野)博士後期課程修了。同大学院助教、奈良県立医科大学講師、香川大学准教授を経て、2024年6月より現職。

伝統的な生活の中にある健やかな暮らしの知恵と最新の知識や技術を取り入れ、人と人との関わりの中で自分の人生を見つけ、豊かに暮らしていくためのお手伝いをしたいと思っています。


増田 千絵

京のひろば理事。市立旭川病院 糖尿病看護認定看護師/日本糖尿病療養指導士。

 

1990年に市立旭川病院に入職し、糖尿病内科病棟から看護師生活をスタート。2006年日本糖尿病療養指導士、2010年糖尿病看護認定看護師となりました。その後、糖尿病を持ちながら生活する方のセルフケアをテーマとして研究に取り組み、2013年旭川医科大学大学院医学系研究科修士課程(成人看護学分野)を修了しました。

ここまでやってこられたのは一緒に働く医療スタッフはもちろんのこと、糖尿病を持つ方やたくさんの方々に支えてもらい、育ててもらったおかげです。お世話になっている方々に少しずつでも恩返しができるように「京のひろば」で活動していきたいと思っています。


川崎 てるみ

京のひろば理事。市立札幌病院 糖尿病看護認定看護師/日本糖尿病療養指導士。

 

クリニック勤務を経て、1996年10月より市立札幌病院に着任し、最初に配属されたのが糖尿病と腎臓内科の混合病棟でした。糖尿病を持つ方との関わりの楽しさや奥深さを感じたことがきっかけとなり、2001年日本糖尿病療養指導士の資格を取得、2008年には糖尿病看護認定看護師となりました。その後、さまざまな活動を通して、糖尿病を持つ方やそのご家族、メディカルスタッフとの素晴らしい出会いを経験し、多くの学びを得ることができました。このかけがえのない人々との出会いが、今の私に繋がっています。「京のひろば」も同様に、皆様の出会いの場となり、学びに繋がれば嬉しく思います。


石井 美穂

京のひろば理事。医療法人心愛会 TOWN訪問診療所 看護師。

        日本糖尿病療養指導士/健康運動指導士/日本登山医学会認定山岳看護師。

 

企業立病院に在籍中に糖尿病の方の支援をしたいと思い2009年に糖尿病療養指導士を取得しました。2010年より豊橋市民病院に入職し、糖尿病内分泌外来に勤務しています。愛知県豊橋市は一人一台の車社会です。近くの都市圏の名古屋に比較して身体を動かすことが少ない地域です。そこで、年齢を重ねてもイキイキとした生活を送れるように、とくに運動を通して生活習慣病の予防や改善のお手伝いをしたいと考え、2017年に健康運動実践指導者となりました。

食べること、運動することが大好きな私です。元気にイキイキと生きる知恵や経験を皆で分かち合える「京のひろば」で、皆さまと活動し楽しみたいと思います。

 


村内 千代

京のひろば理事。関西医科大学看護学部治療看護分野 講師。

        糖尿病看護認定看護師/日本糖尿病療養指導士。

 

関西医科大学総合医療センターで看護師として勤務し、2018年より現職。病院に入職当初は、外科系病棟に配属されましたが、どの科にも糖尿病患者さんがおられ、糖尿病看護への関心が高まりました。「糖尿病」をきっかけに、多くの出会いに恵まれて、このたび「京のひろば」のメンバーに加わることができました。趣味は、ハーブを育ててクラフトをすることや、旅先で御朱印を集めることです。こまめな活動で体力を維持したいと思っています。色々な方々と交流ができる「京のひろば」は、私自身とても刺激的な体験となっていて、学びを得る場となっています。これからも皆様と一緒に、「京のひろば」での時間を過ごすことを楽しみにしています。


石田 均

京のひろば理事。市立長浜病院ヘルスケア研究センター長。

元杏林大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・代謝内科 教授。

日本内科学会 認定内科医・指導医

日本糖尿病学会 糖尿病専門医・研修指導医

日本内分泌学会 専門医・指導医

日本臨床栄養学会 臨床栄養指導医

日本病態栄養学会 病態栄養専門医・指導医

日本肥満学会 肥満症専門医・指導医


古田 真里枝

京のひろば理事。京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授。

           看護師/助産師。


秋元 香奈子

京のひろば理事。「シュガール」設立メンバー。


森永 佳代子

京のひろば理事。「シュガール」設立メンバー。


青山 美佐

京のひろば監事。

 

知っている人同士はもちろん、知らない人同士でもほっと気を許し、そこに会話が生まれるような、人と人がつながる場所を作りたいと常々考えてきました。

京のひろばがそのような場所になるよう力添えができればと思っています。